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【小説】リゾナントブルーのМVからストーリーを想像するスレ 第119話 [無断転載禁止]©2ch.net

1 :名無し募集中。。。@無断転載は禁止:2016/04/14(木) 23:20:00.51 0
 「ほ、本当に?」
 「困っている人を放り出すなんて正義の味方のする事じゃないです。
  噂の中にはありませんでしたか?
  どんな相手の依頼でも引き受ける、それが私達です」

第118話 『雨ノ名前-rain story-』より

前回のお話はこちら↓
【小説】リゾナントブルーのМVからストーリーを想像するスレ 第118話 [無断転載禁止]©2ch.net
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119 :名無し募集中。。。@無断転載は禁止:2016/04/17(日) 00:31:13.40 0


10分。
10分、凌げばいい。
それは里保の覚悟であり、彼女を見守る春菜たちの願いでもあった。
しかし。

「のん、相手は専守防衛で行くみたいやで」
「…ああ、そんなこと、させるかよ」

こちらの心を見透かすように、やり取りをする二人。
双子みたいなのに双子じゃない「金鴉」と「煙鏡」の思考のコンビネーションは明らかに脅威だった。

里保が、水で象った刀を横に寝かせて構える。
防御を意識した構え。それを見た「金鴉」は。

「のんの能力は、擬態。能力者の血を摂取することで、そいつの能力もいただくことができる…」

里保に説明するように、呟く。
何を今更。そう思う里保に、追い打ちをかけるような言葉が続く。

「せやけど。基本的なこと、忘れてるやろ」

「煙鏡」がそう言うのと、「金鴉」が懐から取り出した「何か」を口に入れるのはほぼ同時だった。
それが何なのか、「千里眼」の能力を持つ遥の目が捉える。

120 :名無し募集中。。。@無断転載は禁止:2016/04/17(日) 00:31:50.22 0
「ああっ!あいつ、あいつ!!」
「どうしたの、くどぅー」
「蟲を!たっぷり血の詰まった蟲を食いやがった!!」

遥の言うとおり、「金鴉」は隠し持っていた蟲を、ばりばりと音を立てて噛み潰す。
かつて組織の幹部だった「蠱惑」の能力である「蟲の女王(インセクトクイーン)」と、血を摂取する必要が
ある「金鴉」の「擬態」は抜群の相性だった。結果。

「その目で。よーく、見とけ! のんの『擬態』の正確さをな!!」

それまで、体を崩壊させ、維持することもやっとだった体のフォルムが。
徐々に、変わってゆく。艶やかな黒髪。透き通るような白い肌。西洋人形のような整った顔立ち。
口元のほくろでさえも、完璧に。

「な、なんてことを」
「どう? 『さゆみ』の能力は」

里保の目に映るのは。
紛れもなく、道重さゆみ。

「あいつ!よりによってみにしげさんに!!」
「はははは!あんだけうちらの精神揺さぶったんや!今度はこっちの番やで!!」

憤る優樹を嘲笑うかのように、「煙鏡」が吐き捨てる。
相手の姿形に擬態する能力を「金鴉」が乱用しなかったのは。それを相手への致命的な切り札とするため。

121 :名無し募集中。。。@無断転載は禁止:2016/04/17(日) 00:33:08.59 0
殊更に。必要以上に。
さゆみの姿をしたその女は、痛みによる悲鳴を上げた。

「いっ!痛いよ!痛いよ、りほりほ!!」

斬られた箇所を手で押さえながら、助けを懇願するような目で里保を見る「さゆみ」。
そのビジュアルは。視覚から得た情報は。予想以上に強烈なインパクトとなって里保の脳に襲いかかった。

― うちが、うちが道重さんを斬った? ―

ありえない話。
もちろん、目の前にいるのは本物のさゆみではない。

「さゆみは、こんなにりほりほのことを愛してるのに」

血を流し、苦悶の表情を浮かべつつ、さゆみの姿かたちをしたものが。
こちらへと、ゆっくり向かってくる。

里保の心は、激しく動揺する。
自らの手で「さゆみ」を斬った罪悪心。そして「さゆみ」を斬らせた「金鴉」への怒り。
本物ではない。本物ではないとわかっているのに、感情が止められない。
身が裂けんばかりの憤怒は、やがて再び深淵の魔王のもとへ。

「ずいぶんうちらをコケにしてくれたからな。ささやかな復讐、っちゅうことや」

自分たちの心を春菜に乱された「煙鏡」は、憎悪の矛先を里保へと向けていた。
身の毛も弥立つような、里保の暴走。その凄まじい威力、脅威は承知済み。だが、こちらには能力を限界
まで引き上げた「金鴉」がいる。さらに、里保のことを仲間たちが放っておくわけがない

122 :名無し募集中。。。@無断転載は禁止:2016/04/17(日) 00:33:42.66 0
いずれにせよ、連中を襲うのは破滅。
それに付き合う必要などあるわけもない。「Alice」をフイにするのは少々惜しいけれども、組織に復讐す
る方法など他にいくらでもある。
「煙鏡」は、まさしく純然たる悪意をもってこれからの未来図を描いていた。

その間にも、里保の体を怒りが駆け巡る。
様子がおかしいことに気付いた仲間たちが、次々に叫んだ。

「鞘師さん!その人たちの策に乗ったらいけません!!」
「里保ちゃん!そいつは道重さんじゃない!!」
「鞘師さんしっかりしろ!そんなやつに負けんじゃねえ!!」
「やっさん!!!!!」

だが、その声は里保には届かない。
心の闇のクレバスから、赤い目をした魔王が顔を覗かせる。
破壊。暴虐。ここにいる、全ての人間を血祭りに上げ、亡き者にする。
邪な、赤い衝動が里保の心を覆い尽くそうとした時。

― 鞘師は、そんなこと。しない ―

そこには、さゆみの顔があった。
無論それも、本人ではない。里保が描く、記憶の中のさゆみ。
いつも里保を陰日向から見守り、助言を与え、時には過度なスキンシップもあったが。
そのさゆみが、里保を食らい尽くそうとした幻を打ち消した。
外れかけた地獄の窯が、ゆっくりと元に戻ってゆく。

「そうだ…うちは…うちじゃ…」
「可哀相なりほりほ。せめて…さゆみの手で殺してあげるねっ!!」

あくまでも「さゆみ」を装い、里保を捕まえ縊り殺そうとする「金鴉」。
だがそれはもう、通用しない。

123 :名無し募集中。。。@無断転載は禁止:2016/04/17(日) 00:35:05.64 0
すれ違いざまに、二度、三度。
里保の放った太刀筋は、「さゆみ」の体を切り刻んでいた。

「ぐっ!て!てめえ!!」
「無駄だ。その小細工は、うちには通用しない」

膝をついた「金鴉」は、ついに「さゆみ」の形を保てなくなる。
再び肌が煮立ち、顔が崩れ、崩壊の兆しが顕となった。

余計なことしやがって。
「金鴉」は「煙鏡」の奸計に乗ったことを後悔した。あの「緋の眼をした魔王」と再戦できるというから、
敢えてくだらない策を受け入れたというのに。
そのような意志を込めた視線を送るも、相手は素知らぬ顔で空に浮かぶだけだった。

「…ま、いいや。お前さえぶっ潰せば、全部終わる…」

気持ちを切り替え、改めて里保に目を向ける。
問題ない。こんな奴に、負けるわけがない。何故なら自分は、ダークネスの幹部。
「失敗作」などでは、決してないのだから。

「金鴉」に残された時間は、そう多くない。
早く「煙鏡」に処置を受けなければ。だがしかし、時間がないのは里保も同じ。
激戦のダメージは、徐々に限界へと近づいていた。
恐らく、次の段階はない。互いが、この戦いに決着をつけようとしていた。

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