5ちゃんねる ★スマホ版★ ■掲示板に戻る■ 全部 1- 最新50  

■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

【小説】リゾナントブルーのМVからストーリーを想像するスレ 第119話 [無断転載禁止]©2ch.net

1 :名無し募集中。。。@無断転載は禁止:2016/04/14(木) 23:20:00.51 0
 「ほ、本当に?」
 「困っている人を放り出すなんて正義の味方のする事じゃないです。
  噂の中にはありませんでしたか?
  どんな相手の依頼でも引き受ける、それが私達です」

第118話 『雨ノ名前-rain story-』より

前回のお話はこちら↓
【小説】リゾナントブルーのМVからストーリーを想像するスレ 第118話 [無断転載禁止]©2ch.net
http://hanabi.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1459355389/

【用語】@wiki
http://www39.atwiki.jp/resonant/

【過去】第1話〜第20話のログまとめ
http://resonant.web.fc2.com/

【保管1】まとめサイト(仮)※第1話〜第24話の小説は収録完了
http://www45.atwiki.jp/papayaga0226/

【保管2】まとめサイト Ver.2 第25話〜第43話
http://resonanter.blog47.fc2.com/ ※IEで閲覧できない場合は火狐かChromeの導入を推奨
http://www61.atwiki.jp/i914/ IEの方はこちら

【保管3】暫定保管庫(まとめサイト3) 第44話〜最新
http://www35.atwiki.jp/marcher/

【スレのテンプレ・感想・作品のあとがき 他】したらば掲示板
http://jbbs.livedoor.jp/music/22534/

【上記掲示板のスパム被害を逃れる為の避難所】避難板
http://www3.atchs.jp/resonant/

159 :名無し募集中。。。@無断転載は禁止:2016/04/19(火) 02:51:18.14 0
飯窪は見た事がある風景を見ていた。
自分があの会社と邸宅の前を歩いていることに気付き、足を止める。

 「飯窪さん?どうしました?」

小田さくらが隣に歩いていたはずの人影に声を掛ける。
だが飯窪は「うん」と曖昧な返事をしたまま顔を上げた。

建物の前には、売家の札が立っていた。
会社のほうはすでに別の人間が買収したらしく、ビルの入り口に
掲げられた社名は変更されていた。
一抹の寂しさとともに、再び歩き出した。
こればかりは慣れない。
慣れてはいけない。

異能者として強くなったとしても、人間としてはまたひとつの
欠片を失っていくのだから。

途中で歩道の人影とすれ違う。
一目で分かったのは、車椅子に座ったロック。
そして背後から押している人物、ロメロだった。
ロックは痛切な感情を込めた横顔で建物を見つめている。
ロメロの顔が動き、振り向く飯窪に気付いた。

唇の端を歪め、ロメロは例の皮肉な笑みを見せてくる。
全てを失った父を引き取ったのは、厳しい現実を突き付けたロメロだった。
意外な結末に、飯窪は複雑な感慨を抱く。

160 :名無し募集中。。。@無断転載は禁止:2016/04/19(火) 02:52:36.94 0
背中を向けて、父の車椅子を押しはじめた。
去っていく男の背中を見送ると、ロックが何かを語りかけ、ロメロが
鼻先で笑う光景が見えた。
耳を澄ませば、二人の会話が遠く聞こえる。


 「あんたの好きな夢物語は甘すぎるよ、これからは現実に
  則った話が売れるんだぜ」
 「何を言うんだ、物語は夢を語ってこそ物語なのさ」
 「寝ぼけてんじゃねえよ。
  俺がおまえの夢を終わらせたから、今の再出発を始められたんだぞ」
 「だから、全てを含めて今が夢の始まりなのさ。
  いつの時代も、そういう苦難からの再生が物語の基本なんだ」
 「再生すればいいけど、そう都合よくいくのか?」
 「するしかないのさ」

飯窪は前に向き直り、工藤の元へと歩き出す。

 「ねえ小田ちゃん、小田ちゃんはさ、物語好き?」
 「物語?漫画や小説はたまに読みますが」
 「私も好き。だって物語は救いなんだから」
 「救い?」
 「助けてくれる人が居て良かったよね、私達」
 「…話が見えないんですが。あ、ちょ、飯窪さんっ?」

飯窪が唐突に走りだした事で、小田が叫ぶ。
だが数歩進んだところでバランスを崩した。
両手に持っていた荷物が揺れて体勢を保てなかったのだ。
「危ないですよー」と小田が手を差し伸べた。

161 :名無し募集中。。。@無断転載は禁止:2016/04/19(火) 02:53:03.58 0
「ちょっと二人―!そんな所でなにやってんの!?」

遠くの方からこちらに叫ぶ声があった。
前方に居た石田が手を振っている、片手には袋を持って。

「もう皆待ってるんだから。文句の電話がこないうちに帰るよ!」
「飯窪さんがこけちゃったんですよ、石田さんも手伝って」
「はあー?なにやってんのよもーっ」

文句を言いながらも戻ってくる石田に、飯窪は恥ずかしそうに笑った。
乾いた夏の風が吹き込んでくる。
まるで自身を取り戻したかのように、真上の雲が晴れていく。

久しぶりの蒼い日射しは夢のように綺麗だった。

92 KB
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

★スマホ版★ 掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50

read.cgi ver 05.04.06 2022/04/29 Walang Kapalit ★
FOX ★