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【小説】リゾナントブルーのMVからストーリーを想像するスレ 第147話 [無断転載禁止]©2ch.net

1 :名無し募集中。。。@無断転載は禁止:2017/04/22(土) 22:03:58.82 0
それならば、はっきりと云おう。


「ホンマは小田さん、譜久村さんを憎んでたんですよね?」


よう聞けや、おっさん。
これが、小田さんの“真実”や。


第146話 『さくらは死ねない(仮)』より


前回のお話はこちら
【小説】リゾナントブルーのMVからストーリーを想像するスレ 第146話
http://hanabi.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1491656789/


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236 :名無し募集中。。。@無断転載は禁止:2017/04/30(日) 23:58:08.75 0
保全代わりに>>92の続きです


美希は目を見開いた。
奥歯を食いしばり、膝を立て、ぐんと突き上げた。
幸か不幸か、それは男の上腹部、鳩尾に見事にハマった。
男の呼吸が乱れ、右手の力が弱まる。
拘束が緩むのと同時に、美希は地面を這って逃げる。頭の中を羽虫が飛んでいるような錯覚を知る。
それでも、手ごたえを感じていた。
なんだ、まだ頑張れるじゃないか。
まだ、闘える。私はまだ、闘うんだ。勝つまで、必ず。

「くそが……」

男は呼吸を整えながら、美希とさくらを交互に見る。
何度か打撃を与えられたが、致命傷には至らない。痛みは少なく、まだ問題はないと判断した。
だとすれば、消すべきはあの女が先だとさくらを睨んだ。

237 :名無し募集中。。。@無断転載は禁止:2017/04/30(日) 23:58:41.72 0
 
春水はナイフの刃先を躱しながら、さくらの動きが変化していることに気が付いていた。
春水を刺そうとナイフを振り回すが、明らかに大振りになっている。
届け。という祈りが、確かに届いていると確信した。

「さくら!お前の記憶は上書きした!お前は生まれてからずっと私のペットだ!」

男はそう喚いた。
大股で近づき、再び記憶を上書きしようとするその腕を塞ぐように、美希が飛びかかる。
邪魔するな!と男が美希を振り払おうとする。
二度、三度、四度と殴られ、まるでサンドバックのように美希は攻撃を受ける。
腕時計がひしゃげる。頬の傷が増える。目が腫れる。打撲が増える。
それでも決して、その腕を離さない。

忘れてはいけない声がある。
忘れることのできない記憶がある。

記憶とは、脳に蓄積された情報だ。
引き出しの中にしまい込まれた、0と1の数字の羅列。

リゾナンターを結ぶ、共鳴という絆。

それは、頭でも心でもない。
奥深く、魂に刻み込まれた傷だ。

238 :名無し募集中。。。@無断転載は禁止:2017/04/30(日) 23:59:47.86 0
「小田さんがやらんのやったら、うちがやります」

春水に勝算があったわけではない。
博打にも近い懸けだった。
それでも、脳の中の記憶を上書きされたとしても、その先に、何かがある気がした。


―――「完全に複写(コピー)できる……。なのに……なぜ……!」


―――「わからない。うちにも」


たとえ“複写”されたとしても、“上書き”されたとしても。
その記憶の先に確かに残るのは、魂の傷。
その傷を刺激することでしか、小田さくらを取り戻す方法はなかった。

思い出す。あの日のことを。
誰にも共有していない、ふたりだけの、“秘密”。


―――「私ね、リーダーのこと護りたい。私を殺してくれるまで、護り続けるの」


―――「ころす?」

239 :名無し募集中。。。@無断転載は禁止:2017/05/01(月) 00:01:01.62 0
 
―――「譜久村さんが愛した世界が壊れたとき、きっとあの人は私たちを殺すよ」
    でも…後輩に手を出したらぶつかっちゃうかも。後輩は殺させたくないな」


―――「まさか」


―――「ふふ。例えば、の話。だよ」



さくらのその言葉は、随分と物騒で、それでいて信憑性があった。
自分たちは正義の味方ではない。
狂気の渦の中に呑み込まれた、異能な存在。
共有している蒼い絆は、「世界を護る」というそれだけの上に成り立っている。

さくらが発した言葉。
譜久村聖が私たちを殺す。ということ。
それは一種の比喩ではあるけれど、さくらの真意は、春水にも分からなくはない。
聖の世界は、「リゾナンター」を中心に回っている。
集められた絆に深く傾倒するその様は、ともすれば「執着」にも近い。
リゾナンターがいるから世界を護り、世界があるからリゾナンターは存在する。
鶏と卵にも似た、聖の考える、世界とリゾナンターの関係性。

240 :名無し募集中。。。@無断転載は禁止:2017/05/01(月) 00:01:34.91 0
聖は、後輩を信じすぎている。きっと、後輩たちは何があっても世界を護ると信じている。
だから、もし護り切れなかったら……

そう考えると、ひやっとしたが、同時に口角が上がった。
何を今さら畏れている?
命を懸けて護るとは、そういうことだろう?

ああ、覚悟だ。と、悟った。
さくらには、春水にはなかった覚悟が、最初からあったんだ、と。

さくらは別に、聖のことを裏切ろうとか、そんな感情があるわけではない。
今のさくらの中にある、聖への想い。
最初にどんな気持ちがあったかは計り知れないが、彼女の中には紛れもなく「忠誠」がある。
それがたとえ歪んだ「忠誠」であったとしても、春水は、覚悟に満ちたその言葉を信じた。
さくらが自分を、「仲間」だと云ってくれたから。

だから、春水もそれに応えたかった。
忘れることのできない、刻まれた魂の傷を掻き毟る。
本来ある、小田さくらの本能を取り戻す。

「尾形は約束します。小田さんとの“約束”を果たすって」


―――「尾形。尾形なら大丈夫。信じてるよ」

241 :名無し募集中。。。@無断転載は禁止:2017/05/01(月) 00:02:19.82 0
信じる想いに応える。
尾形は裏切らないという想いに。
先輩なら、叩き起きるだろう。あなたは私を護ると要った。ならばきっと、護るはずだ。
間違いを犯す、覚悟のない後輩を、あなたは必ず叱りに来る!


ずるりと、足元の血でバランスを崩した。まずいと思ったのも束の間、地面に膝を折る。
さくらがナイフを振り下ろしてくる。
咄嗟に両腕をクロスさせ、刃先を受け止める覚悟を決める。

が、痛みも、衝撃もなかった。
顔を上げる。
さくらのナイフは、確かに左腕に突き刺さっていた。
さくら自身の、左腕に。

「……内緒だって言ったのに…ダメな子ね、尾形」

震える声で、さくらは言う。
その顔は、汗と血に塗れていたが、確かに微笑んでいた。
前髪の奥に除く瞳に光が射したのを、春水は、見た。

「すみません。でも、ええサプライズでしたでしょ?」

春水もまた、震えながら返す。
どっと汗が噴き出すが、構わない。
さくらは「ばかね…」と笑いながら膝を折る。春水は即座に「小田さん!」と駆け寄った。

242 :名無し募集中。。。@無断転載は禁止:2017/05/01(月) 00:03:36.57 0
じられないと言わんばかりに顔を歪ませたのは、科学者だった。
理解ができない。
脳の中にある小田さくらの記憶すべてを上書きした。
リゾナンターであることはもちろん、生まれてから今までの人生の何もかもを奪い取ったはずだ。
それなのに、なぜ、記憶を取り戻した?
チカラが足りなかったのか?
さすがはリゾナンターといったところか。一般人ならまだしも、能力者相手に全ての記憶を上書きするにはムリがあったのか。
ならば。と男は再度、能力を行使しようとする。

それでも、美希は科学者から離れない。
何度叩きのめしても立ち上がる虫螻が、鬱陶しい。

「お前は寝てろ!」
「行かせないと言ったでしょ!」

噛みつかんばかりの勢いで連撃を加えてくる。
どこにそんな力があるというのか。しかも先ほどよりも拳が重くなっている気がする。
いや、これは気のせいではない。間違いなく、力が増している。
なぜだ。何がこいつに力を与えている?

「仲間だ絆だ、そんな曖昧なもので力が増幅するのか?実に非論理的だ」

男が苦々しくそう口にすると、「あなたは何も分かっていない」と美希は返す。
分かっていないのは貴様の方だと拳を振りかざしたときだ。鋭い風切り音がした。
一瞬の衝撃に気付き、振り返る。

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